碧雛蜜柑

登ったり攀ったり遡ったり走ったり滑ったり食ったり

転職したら前職の額面が手取りになった

 

kotatsumuri39.hatenablog.com

 

上記記事でも書きましたが、2020年7月に前職を退職し、フリーターとしてキャベツ農家やホテルスタッフを経験して2021年5月からサラリーマンに復帰しました。
履歴書の経歴的には一応空白期間を作る形での転職活動となりましたので、どうゴールを決めていつ頃からどんなサービスを使って転職したのか書いていきます。

 

 

転職目的・方針

まずここがブレていたらぐだぐだ続くなと思っていたのですが、振り返ってみると途中は結局ブレた気がします。
元々IT業界としてor自社として自分の将来性が全くなさそうだったので前職を退職しました。
なので今後どう生きて行くかを自分なりにいくつかのパターンで設定していました。

  1. 同職種の場合は前職+50万以上の年収を見込めること(首都圏サラリーマン)
  2. 興味のある職種・業界の場合は前職以上の年収であること(首都圏サラリーマン)
  3. 1・2を満たす会社から3月末までに内定をもらえない場合は雇用形態等々何も気にせずやりたいことを1年or1シーズンやる

安定した雇用であるのは圧倒的にサラリーマンです。それはキャベツ農家とホテルスタッフの2つを経験して出た答えでした。
サラリーマンというのは何より社会的な職業であると考えています。つまり職務経歴で言えば最も空白期間にうるさい。
3でやってみたいことをやる、というのはまあいろいろとありますが、自分が興味ある分野はもう遅いor今すぐでなくとも年齢的に問題なさそうものが多かったです。
そしてそれはすぐに功を成せるか分からないものであったり、安定性に欠けるものであったりします。
3の選択肢により新たな出会いがあってひょんなことから安定した生活を得られるパターンもままあるでしょう。自分から見ればドラマティックでシネマティックなルートですが、そういう生き方をしている人も今までの経験で何人か知っています。
「行動力とやる気次第」と言われればそれまでではありますが、自分はそこまで踏み切ったことを成しえない星の下の人間だとも今までの人生で痛感しています。
3の選択肢は年齢がすぐにネックになるわけではなく、かつ1,2の場合だと空白期間がこれ以上だとネックになるのでサラリーマンとしてもう一度復帰しようと考えました。
それでやっぱりダメだったらそのとき出来る3の選択肢を取ればいい。そう思いました。
そのためまずは

  1. SEなら前職+50万以上の年収
  2. 他職種なら前職以上の年収

で首都圏の企業を対象に転職活動を行います。
ちなみに他職種は自分が興味あったジャンルで

にしました。
転職活動を開始したのは2021年2月中旬からでした。

 

使った転職サービス

ビズリーチ

まずは高給求人で有名なビズリーチに登録しました。
先に言ってしまうと今回ビズリーチでオファーがあった企業に転職することになりました。

サイトに登録するとまず審査がどうのとか書いてありましたが、大きめの独立系中小企業でSEやっていただけの自分でも落ちることはありませんでした。
ビズリーチの特徴としては

  • 最初の1ヶ月はプレミアムステージが無料で、求人応募などの条件を満たせばさらに無料期間が延びる
  • 登録した経歴を見てヘッドハンターや企業からメッセージが来る
  • 高給求人を謳っている通り、年収500万~からの割合が多い(400万台も当然ある)
  • 専属アドバイザーみたいなものはいない

通常のステージでも多少の転職活動は出来るようですが、様々な機能が開放されるプレミアムステージじゃないと正直効率的な転職活動は難しいと思います。
ぼくは結局プレミアムステージ期間中に転職活動を終えたので通常ステージだとどれくらい制限がかかるか分かりませんが、最初の無料期間と条件クリアによる延長で2ヶ月くらいは無料のままプレミアムステージでいられました。

ビズリーチのシステムですが、特徴に上げた通り受け身での転職が可能です。
自分の経歴に引っかかった企業やヘッドハンターからメッセージが届き、それにリアクションする形で進めることが出来ます。
もちろん自分で検索して応募することも出来ますが、ちょっとUIが使いづらかった気がします。
ヘッドハンターは言ってしまえば他転職サイトのエージェントです。

「私はあなたの経歴や希望にマッチしそうな求人情報を持っているのでぜひお話を」

という感じでアプローチしてきます。
だいたいはそのエージェントの転職サイトに登録することになります。
ぼくはそのパターンでレバテックとコトラにも登録しました。
登録前に電話やオンライン会議などで話すケースもあるので、可能ならそこで話を聞いてから判断のほうがいいでしょう。じゃないと登録サイトばかり増えて面倒です。

企業からもオファーが来ます。ヘッドハンターにしてもそうですが、とりあえずキーワードで引っかかった人に自動送信しているのもあるのでいわゆる「スカウト」としての期待はしないほうがいいです。(よほど優秀な経歴な別かもしれません)
実際にオファーという名目で来た企業といくつかやりとりしましたが、だいたいが書類選考からスタートだったり、運が良いと書類選考は免除くらいです。
面接は受けますしちゃんと通過しないといけません。
それでも企業からアクションが来るというのは楽です。必ず一度面談の機会は得られるわけですし、そこで気に入ってもらえれば何かとその後の選考のサポートを得られます。

 

DODA

次に登録したのは大手として名高いDODAでした。
マイナビ転職でもキャリコネでも何でも良かったんですが、前職の客先で中途採用された人と仲良くなって話したときにDODAで客先に転職したと聞いていたのでなんとなくDODAにしました。
特徴としては

  • 自分専属アドバイザーがつく
  • アドバイザーからオススメ求人が来る
  • アドバイザーとは別にDODAのシステムからもオススメ求人が来る
  • 企業ごとに専属のサポーターみたいなものがおり、面接前にそのサポーターからどういう人柄の人が選ばれやすいかなどの情報を得られる

DODAでは最初に専属のアドバイザーがつきます。正直そこでの相性が大事とか結構言われてます。
自分は話しやすい女性がついたので特に不満はなかったです。最初に面談を行い自分の経歴や離職理由や希望条件などを話します。
アドバイザーに取り繕ってもしょうがないので、いろんなことを素直に話して希望条件を高めに言っておきました。
検索機能は使いやすくなかなか良かったと思います。
もし次もサラリーマンに転職するとしたら多分ここを使うでしょう。

 

レバテック

個人的にはIT・Web系の求人を主とする転職サービスです。
ここは登録しようと思ってしたわけではなく、ビズリーチのヘッドハンターがレバテックのエージェントで、レバテックに登録してくれとのことだったので登録しました。
特徴としては

  • 自分専属アドバイザーがつく
  • アドバイザーからオススメ求人が来る
  • アドバイザーとは別にレバテックからもオススメ求人が来る

DODAに似てます。ただ検索機能はありません。基本的に来た求人を見ているだけでした。(もしかしたら別途登録で検索も出来るのかも)
来た求人に対して「気になる」とか「応募する」とか「興味ない」とかステータスを選んでいくんですが、専属アドバイザーにたまに理由を聞かれたりするのでどんどんマッチングさせる精度を上げようとしているんだなーと思いました。
特に希望条件などについてもいろいろと質問があったりするので、腹を割って話したい人にはいいかもしれません。
ぼくはサラリーマンに戻るからには条件を高くしようとしていたので、結構そのへん突っ込まれてちょっとアドバイザー怖いなって思ってましたw
けどハズレ引いたとかは思わず、親身になってくれたかなーと思います。残念ながらぼくが内定をもらう直前にそのアドバイザーは退職してしまったのですが。

 

コトラ

これもビズリーチのヘッドハンターがコトラの人だったって感じです。今回初めて知った転職サービスでした。
金融系・コンサル系の求人に強いのと応募している企業にぐいぐいと売り込んでくれるみたいです。
特徴としては

  • 自分専属アドバイザーがつく
  • コトラからオススメ求人が来る

検索機能はなかったような気がします。基本的に検索はDODAで事足りていたので必要とせず気にしていなかったという理由からちょっとはっきりしていません。
検索しなくともアドバイザーが求人情報を持っていてそれを提示してもらえる感じでした。
自分の担当はかなりぐいぐいな人で、ぼくにも企業にもぐいぐいでしたw
ここのおかげで書類選考→一次面接→Webテスト→二次面接と必要なところを一次面接→Webテストだけで内定が出たりもしました。(自分の面接とWebテスト結果が良かったと企業の人は言ってましたが、それだけで役員面接をスルーは出来ないと思うのでアドバイザーが裏でいろいろしてくれたのかと)
まあそこは条件が前職と変わらなかったので辞退しましたが……。
個人的には強引さが苦手だったんですが、ありがたかったのはここで紹介してもらった企業に落ちたときに「退職理由がネガティブでちょっと……」と企業の採用担当者に言われたらしく、

「なんて答えたんですか?」

と聞かれたので教えたら

「そういう理由はよくないですよ。転職の場ではポジティブな内容を前面に出さないとウケないです」

とアドバイスされたことですね。個人的にはちゃんと論理的になるように前職の退職理由を用意していたのですが、確かにマイナス面での理由になっていたのでポジティブ面で考えるようにしました。
そしたら他サービスの求人でも面接が通るようになりました。
ある意味ここの紹介の企業を最初の方に受けられて良かったです。そうでないと落ちまくっていた可能性もあるので。
ぐいぐいと積極的にサポートしてほしい人にはいいところだと思います。

 

転職活動の進め方

上述の通り4つものサイトに登録していたので、各サイトに応募一覧などはありますがまとめた管理をしないと重複応募もありえるので別途Excelで管理していました。
項目はこんな感じです。

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「日付」は面談が決まった際の日時を書きこんで他と被らないようにしていました。
転職活動中は白馬でホテルスタッフをしていましたが、コロナ禍の時代もあってオンライン会議が各社浸透しており、いちいち東京に行かなくても面談と面接を行うことが出来ました。
基本的には来た求人をまず見て少しでも気になれば応募します。
そしてExcelに条件や志望度をつけていく感じですね。
ちなみに最終的に35社に応募しました。新卒就活時よりも多いですw
数回面接を繰り返すとだんだんと自分の中で言うことも洗練されて固まってくるので、最初の2社くらいは練習用に選んだほうが良い気がします。

ちなみにWebテストはSPIもGABもTALも受けました。

 

選考の進捗具合

正直あまりよくなかったです。未経験職種だとやはり書類選考でバンバン落ちます。
空白期間があるというのも理由として大きかったかもしれません。
ただ常に数社は選考進行中を抱えるようにしていました。多いときは1日2社面接を行いました。選考が進めばWebテストも都度受けないといけないので結構大変でしたね。
書類選考で落とされる分には仕方ありませんが、1次面接の機会を得たときは空白期間についてはなるべく挽回を行えるような理由を考えていました。
コロナ禍というのが今回あったため、それを使った理由で結構納得してもらえることが多かったです。次は使えませんねw

よく聞かれた質問は以下です。

  • 前職の離職理由
  • なぜ転職ではなく退職なのか
  • 空白の期間は何をしていたか
  • 希望条件
  • 弊社・業界の志望理由
  • 入社可能時期
  • 自分の長所・短所
  • 前職で工夫したエピソード
  • 前職で逆境を乗り切ったエピソード
  • この職業に必要だと思われる能力は何か
  • 何か質問はあるか

一般的な質問です。簡潔かつ論理的な答えを用意しましょう。
そしてその答えに「自分が面接官だったらさらにこう突っ込むかな」という質問を2つくらい考えてみて、その答えも用意しましょう。
よくある逆質問の「何か質問はありますか」ですが、これは気になってることがあれば何でも聞けばいいと思います。
ぼくはリモートワークの現在の実施状況と今後の方針を必ず聞きました。あとはよく面接対策などで言われてますが「面接官が達成感を得たときのエピソードや働いててよかったと思うエピソードを聞く」というものと、「内定をもらった場合に入社までに身につけておくべきスキルなどを聞く」ですね。

ちなみにこれだけ偉そうに書いてますが、35社応募して内定をもらったのは3社のみでした。
32社のうち3社はこちらから辞退、22社は書類選考落ち、7社は面接落ちです。
特に面接で落ちたうちの2社は最終選考まで行っていて、個人的に手ごたえも感じていて落ちたのでショックでした。
どちらも上流専門のSEとして受けたのですが、理由が「上流をするにはまだスキルが感じないように思う。上流の意義の理解とそれに見合うスキルを身につけてほしい」とのことだったのでなおのことショックでした。
1次面接はどちらも好評で、「上流は未経験とのことだが論理的思考と快活なコミュニケーションは上流に向いている」とコメントもいただいていました。
しかし現場の責任者からは即戦力には物足りないと判断されたようです。残念ですがこればかりは仕方ありません。今ないスキルはどうやってもないのです。

最終的に受かった会社は

  • ソフトウェア開発のテスト会社
  • プロジェクトマネジメントの会社
  • 前職と別業界の情シス

となりました。
まずテスト会社ですが、給料が前職と変わらず内容はさらに下流の工程を担当することとなります。テスターでは将来性がますますありません。品質系のコンサルの道もあるらしいですが、狭き門でしょう。ここが1次面接とWebテストのみで好評を得て内定をいただいたのですが、辞退しました。

次にプロジェクトマネジメントの会社は内容的には面白そうだったのですが、給料が前職と同等で年俸制裁量労働制だったのでやめました。また、バリバリやっていたコンサルの人が好待遇で受け入れられたときに落ち着く先のような感じがしました。

そして最後に別業界の情シス。開発も行うとのことで、正直もう開発はいいやって思っていたのですがここに決めました。
理由としては

  • 給料が前職に比べ遥かに良い
  • 自社開発もあるとは言え、多くはベンダに依頼する情シスの立場(お客様情シスはSIerの夢)
  • 自分の上長となる人の人柄の良さ

になります。3つは特にで、初めて面談を行ったときからいろいろと詳細な話をしていただけ、こちらのフリーターの事情なども受け入れていただきました。
一次面接もこの方と人事での面談だったためサポートをいただく形で面接に合格。
最終面接は役員面接になるので自分は同席できないからと事前に電話で対策をいろいろと教えていただきました。
転職サイトのアドバイザーなら分かりますが、一企業のそこそこのポジションの人がここまでしてくれる例は稀だと思います。
その時点で自分が社の一員として求められていることを感じ、志望度は一番でした。(ぶっちゃけ給料が良かったのも大きいです)
一番最初にビズリーチからアプローチをもらった会社だったんですが、面談とWebテストと面接をそれぞれ日時調整をしていたら最終面接が一番最後になってしまいました。
最終面接は痛いところばかりを突かれて正直難しいなーと思っていたのですが、翌日に内定の話をいただいて喜んだことを覚えています。
(その割に今やる気に満ち満ちてるとは言えない状況で働いてますが)

 

まとめ?

で、タイトル回収になるわけですが、記載の通り収入がそれくらい上がることになるそうです。
IT業界のままではここまで上げるのは結構大変です。よほどの大手行くか、ノリノリのベンチャーに行かないと難しいと思います。
なので今回ハッとしたのが「業界を変えればいい」ということでした。
職種としてはSEで変わりありません。ただしIT業界でなく別業界に変えれば、給料テーブルは当然そこ基準です。
IT業界というのはもともとそんなに給料が高くないです。いや、正直ピンキリではあるんですが。(それを言ったらみんなそうか)
DODAやレバテックのアドバイザーにも相談しましたが「同職種でも年収が50万あがれば大成功だと思ってください」と言われました。自分の場合は特に空白期間もあるのでなおさらかと思います。
それが今回数値にしてみると50万を易々と超える上昇幅になりました。業界の基準テーブルでこんなに変わるんだなあと思いました。
ここに関しては前職が昇進していない状態でやめて、今回それより上のポジションを与えられているからというのもありますが……。
参考になるかは分かりませんが、もしIT業界で現状給料面で不満がある人は「ITとは別業界の企業の情シスになる」というのも視野に入れてみてもいいかもしれません。
ただ同じSEとは言えやることはガラッと変わります。
正直に言うと現業務に興味が特にあるわけでもないですが、前職のスキルを活かせるし給料面と人間関係には不満がないのですぐさままた転職を考えるということもありません。通勤がかかるのがネックですが、在宅勤務も可能です。
次会社をやめるときはよほどやりたいことが出来たか、会社で何かやらかしたか、SEまたはサラリーマンに嫌気がさした時でしょう。
ちょっと飯能で求人出してないか常に気になってる企業があるのでそこへの転職はまた別として。

こんな情報が参考になるかは分かりませんが、どこかの誰かの転職時に何かしら役立てば幸いです。

では