スノーボード検定(バッジテスト)3級を受けてみた
検定を受けたきっかけ
2020-2021シーズンの冬はBCに向けて白馬で住み込みのホテルスタッフをやり、休みの日や中抜けで八方尾根スキー場を滑っていました。
しかし独学のため滑走日数はそこそこだったものの上達はせず、今冬こそはと思い天気が悪い日はゲレンデに行くようにしました。(天気良いときは山登ってます)
Youtubeでスノーボード動画を見て実践、同行者に動画を録ってもらってフォームチェックしたり、変な滑りになってないか指摘してもらったり。
とは言え自分の周りはスキーヤーが多いため、専門的なアドバイスはもらえず、ついにスクールへ行ってみることにしました。
アースホッパーという「全国30か所のゲレンデを2回ずつ1日リフト券発行出来る」というサブスクに入っていたため、適用箇所からアクセスが良くて安いところを探して見つけたのが車山スキー場。
1日8000~9000円が多い中、なんと1日6000円。しかも家から2時間半くらい。さらに中央道なので空いている。(上りの中央道渋滞がえぐいのは基本的に無雪期です)
スノーボードスクールというのはかなり初心者向けに出来ており、自分でも上級者レッスン(確かDコース)に振り分けられました。
上級者レッスンの目的は中斜面以上でのカービングとショートターン。滑っているうちに先生に「バッジテストは受けないの?」と聞かれ、「BCが目的なので特にそういうのは考えてないです」と答えると「ゲレンデでのモチベーションアップになるし、課題が分かりやすくなるから考えてみるといいですよ」と言われました。
ゲレンデはいつでもBCに近いコンディションを得られるわけじゃないし、圧雪と非圧雪は全然別物。とは言え基礎が出来ていないと応用はしづらいし、確かにゲレンデはゲレンデで目的を持って滑ったほうが上達が早くなるかも、と思いバッジテストを受けることに。
そもそもバッジテストとは
スキーにもスノーボードにも技能検定(バッジテスト)が存在し、基本的に1~5級があります。(もっと上のレベルもあるらしいですが、○段みたいになるわけじゃないです)
スキーはSAJ(公益財団法人全日本スキー連盟)が開催するバッジテストのみですが、スノーボードは面倒臭いことにSAJのスノーボード部門とJSBA(日本スノーボード協会)が開催するバッジテストがあります。どちらも1~5級ですが、互換性がない上に検定内容も違います。
ゲレンデによって主催スクールが異なります。例えばぼくがレッスンを受けた車山スキー場はSAJ主催のスノーボードスクールですが、後述する川場スキー場はJSBAが主催となります。
上のレベルのテストを受けるには会員登録が必要となり、会費が発生します。そのため両方の1級を目指すと費用が余分にかかります。
話では一応どちらも同じくらいの難易度らしいです。
実際、3級を受けてきました
受付
今回ぼくが行ったのは川場スキー場。JSBA主催のスクールとなります。自宅から渋滞なしなら2時間程度で行ける近場で、上州武尊山登山の拠点にもなるゲレンデです。
事前に電話で確認し、先着順ではあるようですが当日受付でも受験可能とのこと。(事前予約だとプライベートレッスン扱いとなり、値段が倍近くに!)
そういうわけで8時前に着くように自宅を出たのですが、渋滞……。
この時期の関越道は仕方ないですね。5時半発でも普通に渋滞します。あとここ数日ずっと降雪しており気温も上がっていないようで、路面状況も悪いようです。
川場、料金所手前でスタック車多数。リフトオープン前に意気揚々と来るほどの意気込みなのにこの積雪状況で4WDじゃないの勇ましすぎるでしょ
— コタお (@kotatsumuri39) 2022年2月22日
結局8時過ぎに到着し、受付出来たのは8時半過ぎでした。
午前はもう埋まっていましたが、午後からレッスンチェック方式で検定可能とのことなので申し込みます。
レッスンチェック方式とは、レッスンをしていく上で最終的に合格ラインに達する滑りになっていたらOKというものです。なので一発勝負ではありません(ここ重要)
2時間のレッスン代と受験代ということで8000円払います。合格した場合はさらに認定代として1100円かかるらしいです。
午前は普通にゲレンデを滑りました。ちなみに川場は事前講習動画を見て同意書を記入すればオフピステコースの滑走許可がもらえます。(初回1000円かかります)
圧雪と非圧雪の両方を滑り、自分なりに疑問点や課題を見つけておきます。申し込んだのは3級の検定になりますが、レッスン方式なので検定内容に関係ないことでもガンガン聞いていこうかと。
いざ
お昼も食べて準備万端。受付へ向かいます。
おじさんの先生が「バッジテストの方ー」と呼びかけしていたので返事をすると
「あれ、番号付きのビブスもらいませんでした?」
「いや、この青いビブスだけですね」
「うーん……あ、レッスンチェックの方?」
「はい」
「それはぼくじゃないんですよ」
「え……」
「あっちです」
と指された方を見ると
「レッスンチェックの方はこちらですー☆」
ぎゃっ……ギャルだ!!!
自分より若そうなギャルが先生でした。茶髪で爪はいじってないし短いけど、すごい指輪の量。え、それARMじゃないよね?リング一つ一つに武器や召喚獣が込められてるとかじゃないよね?
「よ、よろしくお願いします……(緊張してる)」
「とりあえず板持ってあっち行きましょうか。準備運動から始めましょう」
「は、はい」
準備運動を済ませ、前足だけバインディングを装着したら一緒にリフトへ。
え、い、一緒?隣GAL?え……えっ?ていうか板OGASAKAだ良いなあああああああああ
「検定は初めてですか?」
「はい」
「板変わってますね」
「あ、これスプリットボードっていうやつで。バックカントリーのときに板を割ってスキーみたいにして履いて歩けるんです」
「へぇ~、初めて見ましたぁ。バックカントリーやるんですか?」
「ちょっとだけ行ったことある程度で、滑り上手くなって行けるようになるのが目標なんです。それで今回検定受けてみようかなって」
「そうなんですね~。バックカントリーはどんなところ行ったんですか?」
ぎゃ、ギャルが俺の話に興味を……?オタクに優しいギャルって実在したの?もしかしてこれ、「その着せ替え人形(ビスクドール)は恋をする」の世界線来ちゃった?そういうこと?冴えないおっさんリーマンとイケイケボーダーギャルの恋バナ……ってコト!?
「リフトは下りて右です」
「ア、ハイ」
ここでJSBA3級の検定内容を再度。
「まず最初にロングのカービングターンやります。先に私が滑るので、手を挙げたら滑ってください」
「分かりました」
ちなみにカービングターンは現在練習真っ只中。ま、まあ今出来なくてもこのレッスンで最終的に合格ライン達してれば良いわけだし……と思っていると先生が滑り始める。
う……うめぇ~~。そりゃ先生やってるんだからそうなんだけど。無駄が、ねえ~~。え、でもそれカービング?ドリフトターンじゃないってだけでいわゆるエッジ立てたカービングターンじゃないけどあれでいいの?
手が挙がったのでこちらも挙げ返してひとまず同じように滑ります。
「はい、オッケです~。えーとですね」
「(なんだ、何がダメだった?ターンが左右均等のタイミングじゃなかった?ドリフトになってズレてた?もっとエッジ立てなきゃダメ?フォームがオタクっぽい?)」
「3級はヨユーですね☆」
「えっ」
「もっと上の級を意識したときにベーシック運動っていう動作が必要になってくるので、それを取り入れたロングターンの練習をしていきましょうか」
「え、あ、はい」
あっさり「3級合格」宣言が出ました。その後2回くらいベーシックロングターンの練習をしたら今度はショートターン。
「じゃあ私がまた先滑るので、手を挙げたら滑ってきてください」
「はい」
うっ…んめぇ~~。リズムがずっと一定。左右の幅が少ない。フォールラインが綺麗に真っすぐでそれに沿ってターンを刻んでるだけになってる。
手が挙がったのでショートターンで滑ります。
「うーん。ショートターンも大丈夫ですね☆」
あれ、もしかしてたった今<約束された合格の滑り>エクスカリバー手に入った?3級これで終わり?え、じゃああと1時間半何すんの?
「次またリフト上がって、ベーシックロングターンの練習をどんどんしていきましょう」
というわけで残り時間は2級に向けた練習となりました。先生いわく、JSBAとSAJの検定内容の大きな違いはこの「ベーシック運動」の有無だそうです。JSBAでは必須の動作となっていて、行えないと減点対象。(※ちなみに先生は小学生のころにJSBA1級を取得、数年前にSAJでも1級を取ったらしいです。すげえ)
しかしこのベーシック運動、基礎と言えばそうなのかもしれませんがあまり斜度がない斜面でわざわざやると「検定のための動き」感が強いです。JSBAにおけるカービングというのはこのベーシックターンを指すようでYouTubeなどで見るようなエッジの立ったキレキレターンである必要はないとのこと。(上の級になったらどうかは分かりませんが)
ベーシックターンを練習したあとはショートターンの導入とアドバイス、実践です。
フォールラインを指差し、そのまま一定のリズムで滑ります。若干のドリフトを行いつつ、スピードをコントロールします。この動きはツリーランのような板を大きく動かせないけどスピードコントールを行いたい時にも有効そうでした。
時間ギリギリまで滑り、スクールの受付に戻り認定証をいただきました。
JSBAバッジテスト3級受かった pic.twitter.com/RgozGwtfgf
— コタお (@kotatsumuri39) 2022年2月23日
「2級も目指します?」
「そうですね、1級まではいいかなって思うんですけど、2級はせっかくなので取りたいかなあ」
「じゃあまたお待ちしてますね☆」
キュ、キュン……!!
今後のバッジテストの目標
さて、正直なところを言うとJSBAでの2級はあまり考えていません。
理由として、JSBAでは2級以上の受検にはJSBAに入会する必要があります。当然会費が発生します。
一方、SAJは1級の受験に入会の必要がありますが、2級では不要です。そのため会費がかかりません。
インストラクターを目指すわけでも1級を取るわけでもないので、入会費や年会費を払うほどの熱意はありません。というかその数千円で1シーズン分のワックス買えるし。
そのため次回受験するときはSAJ主催のゲレンデにしようかと思います。
また、目標を2級に留める理由ですが、3級はすでに合格レベルに達していました。しかし2級はそうとは思えず、まだ練習が必要です。その2級に求められる基礎力は身に着けたいと思っています。しかし1級にもなると練習にさらに多くの時間を要します。しかしながらメインに据えたいのはバックカントリー。もちろん滑りは上手に越したことはありませんが、検定のための練習よりは不整地やアイスバーンや急斜面やオフピステコースを練習したほうが自分にとって有意義ではないかと思います。
また、1級はSAJでも入会が必要となり、さらに事前講習を受けていないと受験が出来ません。限られた冬の期間に余分な時間を割かれるのは避けたいところです。
以上の理由から、今シーズンないし来シーズンのゲレンデでの目標はSAJスノーボードバッジテスト2級合格となります。
本日重点的に習ったベーシックターンは角付け、体を使った荷重、体を使った抜重の基本動作なので反復して練習していきたいと思います。