碧雛蜜柑

登ったり攀ったり遡ったり走ったり滑ったり食ったり

【2013.11.9-16 四国ロングツーリング①】初めて四国の地へ

山登りを始める前はバイクに乗ってあちこちをだらだらと走っておりました。
今回は人生初となる数日に及ぶロングツーリングで四国一周したときの話をしようと思います。

 

プロローグ

そもそも、きっかけは2chだった。というかこのころ自分は大学生で、目に入ってくる情報のほとんどは2chかゴッドタンか水曜どうでしょうかアニメ・マンガ・ゲームから構成されていた。我ながらすごいつまんない過ごし方してたなと思う。
2年生のときにバイクの免許を取って3年生でバイクを購入し、どんなツーリングをしようかとまとめスレを漁っていたときに見つけた「キャンプツーリング」なる文化。旅というものに憧れていた自分はそのジャンルに強く惹かれた。
時期的にもちょうど学際と土日で9日間ほどの休みがあった。単純に一周したほうが「やった感」あると思い、一周約1000㎞と言われている四国に白羽の矢を立てた。
急いでキャンプ道具をAmazonで購入。さらに近くの2りんかんへ行きロングツーリング用にシートバッグやタンクバッグを購入。ダメ押しでUSB充電できるように配線。
「さあ準備バッチリ!」というところでどうやら寒波が訪れているようだった……。ペラペラシュラフで大丈夫だろうか?

 

1日目(2013.11.8-9)

名古屋の実家に一度立ち寄りその日は実家泊。
の、予定だったけど

「せっかく四国行くならフェリーだよな~」カチカチ

「……ん?神戸から夜行便なんてあるのか。……え!?あと5時間後に出る!?!?もう準備して行かなきゃ!!」

ということで急遽名古屋から神戸まで。しかも学生でお金ないので下道で。
夜の三重は寒い。山道だし。手をかじかませながらも

 

f:id:kotatsumuri39:20200923172810j:plain

 

着いたぜ……フェリー。

 

f:id:kotatsumuri39:20200923174056j:plain

今では信じられないくらいのクソデカシュラフ(オレンジ色のやつ)と銀マットと夢と希望を乗せたマイバイク・YAMAHA Zeal

 

1時出航なのに0時にフェリー乗り場に着いたので急いでチケットを買い乗船する。

f:id:kotatsumuri39:20200923174210j:plain

f:id:kotatsumuri39:20200923174213j:plain

f:id:kotatsumuri39:20200923174216j:plain

船内の様子

初フェリーをわくわく散策し、たいして面白いものがないことに気づいたのでそのへんの空いてる場所でマットとシュラフを広げて仮眠。

 

そして5時過ぎ

f:id:kotatsumuri39:20200923174320j:plain

高松に到着。

 

朝早すぎてやることがない。

 

 

ぶらぶらと歩く。

 

他のバイク乗りたちは早々にどこかに走って行ったけど、自分はツーリングマップル片手にほとんどノープランで来たので途方に暮れる。

 

途方に暮れすぎて夜が明けてきた

調べてみるとあと30分でうどん屋が開店するらしい。え、朝6時半から!?

「四国と言えばうどんでしょ!」

ということで開店まで待って食べることに。

 

さか枝。メニューは多分普通のかけうどん

 


「ンメッ!ンメッ……!!」

正直本州で食べる讃岐うどんと比べてびっくりするくらい違うか?と聞かれると「……??」って感じ。でも、幸せだからOKです。

 

お腹もいっぱいになったしいよいよ何をしよう。香川ってあと何があるんだ……?
困ったときのツーリングマップルを開いてみると、どうやら栗林公園という綺麗な公園があるらしい。なんか聞いたことあるなと思い、行ってみることに。

 

 

ほおおおぉぉぉ~~~~。確かに綺麗!でも雲がなあ……。そして紅葉にはまだ早かった。

地図を見ていて気付いたのが、「四国最北端ってこの香川にあるんじゃね!?」ということ。スマホできちんと調べることもせず、「パッと見こっちのほうが最北端っぽい」という理由で大崎ノ鼻というところへ。ちなみに本当の最北端は違う場所でした。

 

最北端と勘違いしたまま撮った大崎ノ鼻の写真


すぐ近くに五色台展望台というところがあったので寄り道をする。

 

眺めは良い

気づけば昼時になっていたので、走っていて目についた行列のあるお店へ。
「並んでるから美味いだろ」という圧倒的楽観。その手に持っているツーリングマップルは何のためにあったのか。

 

山越うどんの釜玉

ウッ……ウマい!!!!

讃岐うどん食べるなら釜玉にしろと言われていたのは間違いじゃなかった。これだ、これだよ!これを香川に求めていたんだ。200円を下回るうどんに感動した。すごい、香川すごい。

釜玉うどんに満足し、地図を見ても特に何もなさそうなので一気に今治まで向かうことに。

道中良い感じに夕日と海があったから撮ってみたの図。シュラフが冗談みたいに大きくて笑う

道中あった銭形。なぜこんなものをここに作ったのかよく知らないまま撮った

夕日を尻目に走り、気づいたら日もすっかり落ちたころ。

 

今治に到着

うん……実は駅に向かってる途中から何か変だなーと思っていた。幹線道路のはずなのに両脇がずっと暗い。だけど駅に着いたら一変するだろうと思っていた。それが

 

なんもねえ

 

 

駅でこの暗さ。今でこそ飯能駅南口を知っているから「まあこんなもんだろ」って思うけど、名古屋で育ち本厚木で夜のやかましさを知ってる身としては全くもって田舎だった。

とりあえず駅をぶらつく。

バリィさん

そもそも自分はなぜ今治に行ったのか。そう、何を隠そうこのゆるキャラ・バリィさんが大好きだから。出会えて感無量。かわいい!持って帰りたい!きいろい!かわいい!頭の冠は瀬戸大橋!でかい!腹巻は今治タオル!かわいい!

 

ひとしきり盛り上がったところで(ちなみに駅には誰も人がいなかった)、夕飯を取れるところを探す。

調べるとどうやら反対口のほうに居酒屋があるらしい。今治名物の鉄板焼き鳥なるものも食べられるということでそこへ。

お店に入るとカウンターに案内される。バイト先が焼き鳥居酒屋だったので特になんとも思わなかったけど、よく考えると一人で居酒屋に入るのは初めて。
名物の鉄板焼き鳥と四国っぽいのでカツオのタタキを頼む。

カツオのタタキ

鉄板焼き鳥

鉄板焼き鳥は串焼きではないらしい。タレも自分でつけるっぽい。炭火だと時間がかかるので、せっかちな今治人は鉄板で焼くことを考案したとかなんとか。
とりあえず食べる。

 

うーん……まあ普通に焼いた鶏皮肉だな……

 

美味いけど、鉄板で焼いただけだからこれと言った感想が出ない。え、これ名物?ただの一般メニューじゃなくて?バイトの自分が焼いた炭火焼き鳥の方が絶対美味いけど、これ本当に名物でいいの?
※食べた当時の感想です

 

なんか……なんかなァ~~~~と思いながら会計して店を出た。
宿は残念ながらビジホしかなさそうだしどうしようと地図を見る。
あ、ここまで来ると松山にかなり近い。う~ん……松山まで走っちゃうか!!

というわけでナイトラン決行。とはいえ1時間程度で松山に到着。
ネカフェで寝るか~と駐輪場にバイクを停めてると

「あれっ?」

と何やら声をかけられる。

「あの~」

「はい」

「もしかして同じバイクじゃないですか?」

「え?」

「Zealでしょ?」

「そうです」

「やっぱり!俺もなんすよ~」

「まじですか」

自分が乗っていたYAMAHAのZealというバイクは当時すでに旧車となっており、しかも不人気車のため見かけたことがほとんどないレアバイクだった。
まさかこんな旅先の地で、しかも深夜のネカフェの駐輪場で乗ってる人に出会うとは。

「君もこのネカフェ泊まるん?」

「そうです」

「えー、ほなちょっとしゃべろ」

と高いコミュ力に流されるがまま、ネカフェに入りダーツしながら話すことに。
どうやらこの関西弁のお兄さんは仕事をやめて海外へワーホリしに行くまでの間、「これから海外に行くのに日本のこと全然知らんな」と思ってバイクで旅しているそう。
旅というものに憧れていた当時の自分にとって、まさしく旅人との出会い。しかも同じバイク乗り。テンションが上がる。

「明日俺道後行く予定やねん」

「あ、俺もです」

「じゃあ一緒に観光しよ」

ということでホイホイついていくことに決定。

「何時に起きる?」

「特に決めてなかったです」

「せっかくなら朝から回りたいよなあ」

「そうですね」

「じゃあ9時出にしよか~」

「わかりました」

「あ、もう4時半やん!それじゃおやすみ」

「え、あ、おやすみなさい」

 

昨日のフェリーでの睡眠時間は3時間程度。今は4時半。明日は8時半起きの9時出。今は4時半。4時半かァ……

 

こうして連日寝不足確定のまま初日が過ぎていった。

 

次の記事はこちら

 

kotatsumuri39.hatenablog.com