碧雛蜜柑

登ったり攀ったり遡ったり走ったり滑ったり食ったり

作った山のカレンダーで2019年を振り返る

そもそもの発端は2018年。
自分が登った山や花の写真をカレンダーにして親族に贈っているという話を山の友人から聞き、「これだ」と思ったことから始まる。
というのも、ぼくは大学生のときから親元を離れて一人暮らしをして今に至る。
実家には年に1度帰る程度だし、祖父母の家は実家にいた頃よりもさらに遠くなってしまったため数年に1度帰るくらいだった。
せめて何か贈り物でもと考えたときに、自分の趣味活動をそのまま実用的な物として見せるというのは非常に“アリ”だった。
その月に撮った山の写真から1枚を選びカレンダーにするという縛りだったので早速写真を確認した。

 

 

……山に行ってない月がある

 

計画から1時間もかからず頓挫した。

 

あれから1年、今度こそ作ることが出来た。
というわけで実際にカレンダー方式にしつつ振り返ることにします。

なんか、ようやく山ブログっぽいことしてる
……してるか?

 

1月

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撮影日:2019/1/14

厳冬期雪山登山2回目。
山の知り合い2人と一緒に連休最終日に赤岳を日帰りで。
終始晴れていて、稜線に出るまで風も大してなく、山頂もそんなに風が吹いていなかったためとても天気に恵まれていた。
ただ非常に申し訳なかったのが、自分ともう一人はとにかく雪山に慣れておらず、日の出前の登り始めの冷え込みに耐え切れなかった。
どういうことかというと、いろいろ話しかけてくれる友人Aと、ただひたすら黙って歩く自分と友人Bという構図が出来上がっていた
何か話しかけられても

「あァ……そうすね」

「アハハ、そうなんすね」

「……んふ(もはや言葉を出したくない)」

という有様。地獄……圧倒的地獄……!!
これに関しては本当に申し訳なく思っている。
ちなみにこの日、ミレーのあみあみ*1を着ていたせいかお腹が妙に保温され、うんぶり調整がうまくできていなかった。

 

 

 この日雪で尻を拭くことを僕達はまだ知らない。略して「この尻」。

 

 結局、-10度の世界でうんぶりした。このときは巻紙だけどね。*2

この日の人数は3人。そしてみんなキラッとプリチャンを見ている。そうなるとやることは一つ。

 

みんな、キラッとプリチャン毎週日曜日午前10時からテレビ東京でやってるからぜひ見てくれよな!!!!

 

で、その帰りの道でこのカレンダーの写真を撮った。(もはやオマケ)

 

2月

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撮影日:2019/2/10

この日は早くもラクルキラッツ再結成の日だった。
1月と同じメンバーで1泊2日の福島登山旅行。
9日に安達太良山、10日に磐梯山。9日は冬でもやっているキャンプ場に宿泊予定だったのだが、事前予約がないと空いてないらしく結局ネカフェに泊まった。もちろん俺たちの快活CLUBに
磐梯山は友人Aお気に入りの山で、冬の時期には「イエローフォール」という磐梯山の爆裂火口にできる凍り付いた黄色い滝を見ることが出来る。

 稜線へと上がると強風で雪も舞っていて撤退も考えたくらいだったけど、友人Aを先頭に山頂へ行くことが出来た。展望は良くなかったが、雪と風の中進むというのは個人的に冒険感が強くて好きだった。

ちなみに、9日に有名なラーメン店へ行こうとして敗北しており、10日に改めて行ったがまた敗北を喫することとなった。

 

 

 

 さらに余談だが、3月に西吾妻山へ行った際に、天気悪いしラーメン絶対食べたいから撤退するかと山頂へ行かず切り上げて高速道路まで使い、ついに食べることが出来た。

 

ラーメンまったり、とても美味しいので会津若松へ寄った際にはぜひ。 

 

3月

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撮影日:2019/3/22

初のまともな九州旅行。前に行ったのは高校の修学旅行のみ。
行くことになったきっかけはTwitterだった。
リプライで何となしに九州在住のフォロワーさんと「そっち遊び行くわ」なんてやりとりをしていて、実際に航空券の値段を調べてみたら案外安かったので勢いで買ったのが始まり。
いろんな人にも意見を聞き、「九州の山と言えばここ!」と地元民も観光民も推していたため九重連山へと足を運んだ。
この3泊4日の九州旅行で初めて一人で飛行機に乗るという経験をした。
そこから後ほどの北アルプス縦走につながったり、台湾最高峰・玉山へのソロ遠征につながったり、まあ他にもいろいろと影響を受けており、自分にとってこの九州遠征というのは2019年のその後を大きく左右する出来事だった。

九州の、というか九重周辺の景色は自分の語彙力ではぴったりと形容することが出来ないがなかなか本州ではお目にかかれないものだった。

 

翌日は天気がよくなかったため、祖母山の予定を変更して由布岳に登った。

 登ってる最中だけ天気悪かった。(楽しかったけど)

 

4月

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撮影日:2019/4/22

4月は休日出勤やプリチャンのライブなどがあり、あまり山に行くことが出来なかった。
4月初めてようやく行けた山がこの瑞牆山。本来は前日に西沢渓谷から入り甲武信ヶ岳瑞牆山と縦走するつもりだったが、思ったよりも甲武信ヶ岳付近に雪があるとのことで日和ってしまい、瑞牆山日帰りとなった。
瑞牆山と言えば日本を代表する国民的アニメ・ヤマノススメにも登場する山で、日本百名山にも名を連ねている名峰である。
富士見平小屋まで順調に歩き、少し越えて日陰になった林道が凍結していたためチェーンスパイクをつけるかとぐいっと靴に引っ張った途端

 

ア゛ッ

 

それは、ぎっくり腰だった。
動けない。話せない。呼吸で肺を膨らませたくない。痛い。痛い。痛い……。
突然黙って中腰姿勢のまま動かなくなる自分を心配する同行者をよそに、とにかく痛みに耐えた。
そして少し収まってから事情を説明。どう考えても山頂は無理のため、せめて山頂が見えるところまでのろのろと歩き、頂のその姿をカメラに収めてから下山した。

 

さすがにそのまま帰るのも悔しいので、富士見平小屋で昼ご飯はちゃんと作った。

 

 

 
下山中、小屋番さんがちょうど小屋掃除を終えて帰るところで声をかけてもらったため事情を説明して駐車場まで送っていただいた。
帰宅後すぐに整体院へ向かい、それから10日ほどは腰が曲がった生活をすることとなった。

 カレンダーの写真はぎっくり腰を起こしてから這うようにして行った執念の1枚と思うかもしれないが、実は全くそんなことはなく、富士見平小屋手前で見られるもの。

半年後の11月、ようやく瑞牆山を再訪する機会があった。
晴天の中山頂で絶景を拝み、富士見平小屋にも訪れ当時のお礼を言うことが出来た。
小屋のご主人は全く覚えてない様子だった。

 

 

5月

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撮影日:2019/5/2

このとき、まだ腰は治っていなかった
ただしこの四国遠征に全てをかけていたので、他の予定は基本的にキャンセルし、腰を少しでも良くすることに専念した。
結果的に腰サポーターをしてなおかつ急激な動きをしなければひとまず山に登ることは出来るまでに回復していた。
この四国遠征の本来の目的は石鎚山だったのだが、結果として剣山のこの稜線が気に入ったため採用した。

 

ちなみに石鎚山に行った理由。

 

 

GWで鎖場は非常に混雑していて辟易したが、山頂では同じくヤマノススメ聖地巡礼者に出会い、意気投合したためテン泊装備をモンベルで買わせてそのままキャンプにお誘いするという謎のムーブをした。

キャンプ場に向かう途中、橋で車が脱輪してしまい、田んぼだらけのど田舎でカエルの合唱がこだまする深夜にロードサービスを呼ぶというハプニングもあったが、それはそれで楽しい思い出となった。 

 

6月

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撮影日:2019/6/29

2018年の秋から高山植物に興味を持ち始め、とりわけ気になっていたのが「ハヤチネウスユキソウ」「ミヤマリンドウ」「ホウオウシャジン」「ボタンキンバイ」だった。
そして半年以上経ってようやく念願のハヤチネウユスキソウに会いに行ける日が来た。
ハヤチネウスユキソウは漢字に起こすと早池峰薄雪草と書き、名前の通り岩手の早池峰山にしか咲かない固有の高山植物である。
ウユスキソウの中でも綿毛が多く、花も大きめなのが特徴。
雨に濡れる姿は綿毛のもふもふ感も伝わりやすく、その姿に焦がれていたが実際にほぼ求めているものに出会うことが出来た。
何枚も写真を撮り、一番構図が良さそうなものをああだこうだと相談しながら現像して出来上がった1枚で、今回のカレンダーの中で一番現像に時間をかけた。
しかし自分の写真技術では良さが伝わり切らないため、ぜひとも会いに行ってほしい。

翌日は八幡平へ行ったが雨のため早々に切り上げ、わんこそばを食べるなど観光を楽しんだ。
岩手は美味しいものたくさんあるしいいね。

 

 

7月

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撮影日:2019/7/15

このブログを作成しようとしたきっかけでもある、人生初の北アルプス
3月に訪れた九州のついったらーとジャンダルムを縦走する計画だった。
しかし天気に恵まれず、計画通りだとジャンダルム当日にあたる日がちょうど雨予報だったため計画を変更し、上高地から入山し大キレットを越えることにした。
行程としては初日に上高地から横尾経由で涸沢にテント泊。2日目に北穂高岳へ上がり大キレットを越えて南岳小屋泊。3日目に槍ヶ岳まで行き横尾に降りてテント泊。4日目はのんびり上高地まで観光兼ねて歩いて終わり。
ちなみにジャンダルムに行く場合、1日目に西穂高山荘でテント泊、2日目にジャンダルム越えの予定だった。つまり、ジャンダルム当日(2日目)が雨予報ということは転進したところで核心である大キレットの日が雨予報ということだ。
「本格的に降ってきたときにまだ先が長いようなら引き返そう」と決めつつ、終始小雨だったので結局南岳小屋まで抜けた。
雨の大キレットは濡れたせいか一部崩れやすくなっていた箇所があったが、それ以外は特筆するようなこともなく、整備された岩の縦走路という感想しかなかった。
おそらくガスにより視界が悪く、切れ落ちた真下の様子を見ることもなく高度感が分からなかったためだと思う。個人的には不安や恐怖を覚える場面はなかった。
3日目、南岳小屋から出て振り返ると雨で全く分からなかった大キレットが露わになっていて、「あそこ越えてきたのか……」とちょっと感動した。
カレンダーに採用した写真は中岳あたりから槍ヶ岳を見たときのもの。
この日は晴天に恵まれ、雷鳥の群れも見ることができ、槍の穂先も全く人がおらず40分くらいのんびりしていたのでとても充実していた。
以下、行程中のつぶやき抜粋。

 

 

 

 

 

 

 人生初の北アルプス、存分に楽しみました。

 

8月

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撮影日:2019/8/3

当時ぼくのTwitterをフォローしていた人は覚えているかもしれないが、7月末あたりから自分はつぶやくのを控えていた。
理由としては8月下旬にわな猟免許の試験があり、専念するためだった。なのでこの山行に対するつぶやきがない。
山の友人2人と高山植物を愛でる登山をしようということになり、時期的にいろいろ咲き乱れているであろう木曽駒ケ岳に白羽の矢が立った。
結果として多くの花を見ることが出来た。念願のミヤマリンドウにも無事会えた。

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ただ、あまり上手く撮れなかったのでカレンダー採用としてはわかりやすく千畳敷カールとなった。

9月

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撮影日:2019/9/27

本来ここは白馬を縦走予定だったが、天気がよくなかったため転進となり東北へ紅葉を見に行こうという話になった。
三ツ石山の登山口に向かう道中、翌日に登頂予定の岩手山が目の前に広がっていた。

 朝からテンション高いなこいつ。

温泉から入山し、三ツ石山自体はすぐに着いた。
平日だというのに登山者が多く、ローカルテレビ局も取材に来ていてインタビューも求められた。

 

 嘘しかつぶやかないなこいつ。

8合目か9合目くらいにある管理人がいないほうの避難小屋に泊まり、翌日は岩手山山頂でご来光を迎えた。

 

下山後は温泉に入り、福島の二本松あたりにある牛豚馬鶏という焼肉屋で晩御飯を食べた。

 実はここ、4年前にバイクのキャンプツーリングをしていたときに訪れた店で、店長さんに「これから東北周るんですよ!」という言う話をして笑顔で送り出してもらい、その数日後に「東北めっちゃ楽しかったです!」と笑顔で報告しに来た過去がある。
そんなわけで遠方ながらも個人的にとても想い入れのあるお店だった。

 当時のことを店長さんはまだ覚えていてくれて、正直涙が出そうになるほど嬉しかった。また必ず来ます。

 

10月

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撮影日:2019/10/25

人生で初のソロ海外。そして人生で初の海外峰。
台湾最高峰・玉山。標高3952m。旧名は新高山
入山には申請が必要な山で、人気のため抽選になる。ついったーやまのぼらーと半年以上前から登ろうと計画して、実際に人を集めたが結果は敗北。
しかし自分はどうしても登りたかったため、いろいろな予定を変更し当たるまで抽選を申し込み合計4回目にして当選することが出来た。
台湾自体は学生時代に20日ほど短期留学していたこともあり、中国語を話すことは出来ないがなんとなく読み取れるし文化もなんとなく理解しているので、なんとかなるだろうと思っていたことも行動の理由として大きい。
移動に2日、登山に2日、移動&観光に1日かかった。
詳細は12月に「海外登山ノススメ報告会」というものをヤマノススメクラスタ3人で開き話したが、いろいろな出来事がありとても楽しかった。
北アルプス縦走も含めこちらはいずれ記事にしたいと思っている。まあそう思いつつ2020年迎えているわけだけど。
富士山のように観光されていて、かつ入山人数が制限されているため快適な小屋泊が約束される。さらに台湾自体は航空券も物価も安いので、最初の海外峰としては結構オススメなので是非。バスの時間などがシビアだったりするけど、ツアーもあるのでそちらを使えば抽選も受かりやすく移動や食事なども楽なはず。

以下、台湾中のつぶやき抜粋。

 

 

 

 

 

 

 

 

11月

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撮影日:2019/11/2

はい、我らが日本を代表する山・富士山です。
これね、前週は玉山行ってたんですよ。そんで富士山。2週連続で国の最高峰登るってなかなかないと思う。
時期としては閉山しているため人はとても少なく、雪も8合目からじゃないとなかったためとても快適。
本来のこの時期はもっと雪があるらしいんだけど、最近は温暖化の影響か雪が全くなかった。山頂でさえ軽アイゼンでいいレベル。

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富士山滑落動画配信事故の直後だったため、冬山装備で行ったもののという感じ。
宝永山を登りに行く人は案外多いらしく、年配の方々が結構宝永山のほうへ分岐していくのを見かけた。

 

12月

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撮影日:2019/12/7

自称谷川岳大好きマンとしては冬の谷川岳に行きたい。
このときすでに山カレンダーのことを意識していたので、どうしても谷川岳をカレンダーに入れたかった。
しかし2019年に行ったのは9月の1度のみ。悪くない写真が撮れていたが、雪の谷川岳を使いたかった。
そのため同行者をTwitterで募る旨をぼそっとつぶやいたところ、なんと3人も集まった。
午後から曇天になったけど、登り始め頃は本当に快晴だった。
そしてガスらずになんとか撮れた谷川連峰主脈。
今まで110日ほど山に入ったけど、自分が一番好きな景色で、一番しっくりと来る景色。いつまでも見ていたいと思える景色。2018年9月下旬に行ったこの谷川岳連峰主脈縦走は今でもはっきり覚えていて、今までの山でも上位の充実した山行だった。
ホームマウンテンと言うには遠いし違うのだろうけど、飯能にある入山から10分で山頂へ行ける天覧山を除けば、今まで一番登っている山が谷川岳
達成できる望みは薄いが、一応2020年の目標として月に1回は谷川岳山域に入ることを掲げている。それくらい好きな山で、“心の山”というものがあれば確実に谷川岳を挙げる。
下山後は育風堂精肉店でカツ丼を食べて湯テルメに入浴する。ぼくの中の鉄板ムーブなので是非やってみてほしい。
時間に余裕があれば先に入浴をオススメしたいが、育風堂はラストオーダーが17時なので注意。

 

 

 

と、いうわけで作った山のカレンダーを元に2019年を振り返ってみた。
山自体にはもっと行っているし、他にもいろいろな出来事があったが、ひとまずはこんな感じ。結構カレンダーに迷う月もあった。
2020年も楽しくいろんな山に登りたいなと思う。というかすでに登っている。

それではみなさんも良い2020年を。

*1:

 

 

*2:

ちなみに雪で尻を拭いたときの話はこちら。

 

kotatsumuri39.hatenablog.com