【2019.07.13-16 北アルプス縦走①】ついに来た!上高地!
本ブログを立ち上げようとしたきっかけでもある北アルプス縦走。
4日間に渡る山行も、北アルプスの山に入るのも初めてでした。
ようやくですが、その記録をぽつぽつと書いていこうと思います。
きっかけ
九州在住のフォロワー・Takaさんと北アルプスに行きたいねという話になり、夏にジャンダルムを計画しました。
7月13~15日の3連休に有休を1日足した4日間の行程。
数か月前から計画については話しており、天気などに応じて数プラン用意。
理想はジャンダルム・大キレットをまとめて縦走することでしたが、ひとまずはジャンダルムを第一目標にプランを作成。
- (1日目)新穂高ロープウェイ→西穂山荘テン泊
(2日目)西穂山荘→ジャンダルム→奥穂高岳→穂高岳山荘テン泊
(3日目)穂高岳山荘→大キレット→槍ヶ岳→槍ヶ岳山荘テン泊
(4日目)槍ヶ岳山荘→右俣林道→新穂高温泉 - ↑の逆ルート
- (1日目)新穂高ロープウェイ→西穂山荘テン泊
(2日目)西穂山荘→ジャンダルム→奥穂高岳→穂高岳山荘テン泊
(3日目)穂高岳山荘→ザイテングラート→涸沢テン泊
(4日目)涸沢→横尾→上高地
……だった気がする。(微妙に違うかもしれない)
プラン3の3日目がやたらのんびりですが、これはジャンダルムで心折れたらのんびりしようという計らいです。
7/12の夜に出発して沢渡駐車場で車中泊、7/13の朝一のバスで行く算段でした。
導入
7/12の朝まで自分が仕事だったため、帰宅して起きたら用意。
……が。
寝起きscwチェックして頭抱えてる。日曜朝から悪くなってるじゃんか・・・
— コタお (@kotatsumuri39) 2019年7月12日
すでにこれか……。
ちなみに日曜というのは2日目なので、プラン1,3ならジャンダルム、プラン2なら大キレット当日。
どちらも山のグレーディングでは難易度Eに該当するわけで、一般登山道では国内最高難度と言える。それが雨か……。
と、いうわけでTakaさんと急遽話し合い候補を選出。
飯豊山なら月曜の夜だけ降られる感じかな・・・?鳥海山もかなり安定しているけど2泊も3泊もするような感じじゃないなあ
— コタお (@kotatsumuri39) 2019年7月12日
選出するが……
飯豊山だと少し南になるから、朝日岳連峰のほう行くと安定かもしれんな。え、でも気分がもうさ・・・
— コタお (@kotatsumuri39) 2019年7月12日
北アルプスの口になってしまったんだよなあ
— コタお (@kotatsumuri39) 2019年7月12日
そうなんだよなあ
で、結局
よし、いくぞ! pic.twitter.com/QeVJDZ2VLc
— コタお (@kotatsumuri39) 2019年7月12日
I'm at 沢渡第二駐車場 in 松本市, 長野県 https://t.co/exke9lV3mw
— コタお (@kotatsumuri39) 2019年7月12日
上高地へ。
3連休にもかかわらず、悪天候が予想されているためか駐車場はガラガラ……。
普段この時間ってどんなもんなんですかね。
天気予報を再度見ても日曜の天気が悪いことは変わらなかったので、ひとまずジャンダルムは今回諦めて初日歩いているうちに2日目以降の行程を考えようということに。
大キレットを越えるか、穂高周辺をぐるっと回るか……。
あとは天のみぞ知る、ということで就寝しました。
いざ、上高地へ
起きて朝ごはんを食べたら装備確認です。
今回テントはTakaさん持ちで共同装備にし、38Lザックと40Lザックで3泊4日に挑みます。
自分は普通のシュラフも削ってエスケーププロヴィヴィという、エマージェンシー用シュラフにしました。
完全防水で透湿性もあるため冬は保温・断熱に優れたシュラフカバーとして使え、夏はあまり低くない気温なら単体で使えるというにくいやつ。
一応公称値では8度まで使えるとのことです。
涸沢は標高が約2300メートルなので、地上より13.8度低いことになります。*1
7月中旬の地上の最低気温はだいたい20~23度。まあなんとか範囲内だろうという計算です。
エスケーププロヴィヴィにすることでぐっと軽く、コンパクトに収まります。
装備の確認を終えたら沢渡駐車場からバス乗り場へと行き、上高地へ。
バスに揺られること30分ほど。
ついに……キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!
登山者たちのあこがれ(らしい)!北アルプス!上高地!岳で散々出てきたやつ!!
二人してテンション上がりまくりです。
写真の通りあいにくの曇天ですが、そんなことはおかまいなし!
何はともあれ涸沢カールを見ながら今日はテント泊しようということで、上高地から横尾まで歩きます。
横尾までのコースタイム4時間は等高線的にもほぼ横ばいなので、観光気分です。
梓川を右岸へ渡り、治山運搬路から明神橋へと向かいます。
観光気分とは言ったものの、3週間ぶりの山だからか平坦でも結構重く感じるザックたち……。
「意外に疲れるね~」なんて話していると
さ、サル……?
やっぱサルだ!!
小さいころから言われている「襲ってくるからサルとは目を合わすな」という教訓。
目を合わせちゃダメだ目を合わせちゃダメだ目を合わせちゃダメだ目を合わせちゃダメだ……
かわええやんけ~~(*´ω`)
目合わせても平気でした☆
サルって普通にそのへん歩いてるんですね。人にも慣れてたようで、いろいろ意外でした。
サルだらけの道を歩いていくと
明神橋に着きます。
橋を渡り、本来の道に合流して横尾を目指します。
で、横尾に着きました。
小休止をしたら出発。
さあここからが入山だわよ pic.twitter.com/IKXsY58ZUp
— コタお (@kotatsumuri39) 2019年7月13日
久々の登山、気を引き締めて行きます!
入山開始、涸沢へ
橋を渡って歩くとすぐに出迎えてくれる高山植物。
花弁は4枚、葉は6枚。お前の名前はゴゼンタチバナ。ア~イッ!
※個人的な覚え方です
橋の名前は忘れましたが、横尾谷を横切るところ。
今までじわじわと登りが来てましたが、ここから傾斜が強くなり涸沢へ上がっていきます。
「山頂付近でもないのに7月に雪がある……!」とTakaさんと目を合わせる。
標高がすでに1800m程度あるので、これより上の沢はそんなもんなんですかね。
Takaさんは九州生まれ九州育ちのため、なおのこと雪は珍しく感じたかもしれません。
ん、雪……?ということは
デスヨネー
汚い雪だなあと思いながらジャリジャリジョクジョクと渡っていきます。
雪渓までも疲れる程度には傾斜があった気がしますが、雪渓越えてからはもうちょっと強くなります。
1時間弱くらい登ると……
うおお、ついにきた!涸沢!!!よく名前に聞くやつ!!!!
このとき時刻は12時半。北穂高まで2時間半なので行ってやれないこともない時間。
翌日は雨だし、今のうちに進めるだけ進むのもありだなあと。
ひとまずTakaさんに相談。
「~~ってことなんだけど、どうする?」
「……腹減った」
わ か る
何よりもまずは腹ごしらえ。
涸沢には涸沢ヒュッテと涸沢小屋がありますが、涸沢小屋の方へ。
昼メシ、じゃああああああああい!!!!
カレーとライスともつ煮。
……カレーとライスともつ煮?
いや、これ二人分ですからね。
で、涸沢カールを見ながらお昼ごはん。
一応進むつもりでザックとかを持ってきていたんですが、一息ついたら根が張ってしまい、「涸沢の夜のテントたちも見たいしよくないっすか?」ってことで涸沢にテント泊が決定しました。
そういうわけで食べ終えたら涸沢のテン場まで戻り、料金を支払ってテント設営。
大混雑というわけじゃなかったのですが、あまりいい場所がなさそうで、ちょっと不安定な場所に設営となりました。
一応底を安定させるためにコンパネのレンタルもありますが、そこまでじゃなかったので使わず。
こんな感じになりました。
写真に写っているスリッポンはワークマンで1500円で売ってるのですが、かかと部分がゴムで出来ているのでつぶして履いてもOK、かかとにかけてもOKという優れもの。
アッパーが柔らかいのでスリッパ同士を合わせるとかなりコンパクトにもなり、グリップも意外にいいのでオススメです。
もっと動きやすくするために足の甲にベルトがついたバージョンがよりオススメです。
FC010 LIGHT(ライト) スリッポン | 作業着のワークマン公式オンラインストア
涸沢全体としてはこんな感じです。
涸沢のテントたちと涸沢カール pic.twitter.com/82gTMuQxhL
— コタお (@kotatsumuri39) 2019年7月14日
テントの設営が終わり、ちょっとぐだぐだしたあとは晩御飯。
今度は涸沢ヒュッテへ行き、おでんとビールを購入して初の涸沢に乾杯します。
よく使われている手だとは思いますが、直接お湯を入れるフリーズドライ製品の袋はジップになっているので、そこに丼ぶりの素などタレが残るものを入れるとゴミの処理が楽です。
晩御飯を食べて少し涸沢を眺めたあとはテントへ。
しかしながら
— コタお (@kotatsumuri39) 2019年7月13日
涸沢ヒュッテはdocomoも入るけど、テン場はたまにしか入らない……
— コタお (@kotatsumuri39) 2019年7月13日
ツイッター出来なきゃやることないじゃん!?
じゃ、寝まーーーーす!!おやすみ!!!
「え、ほんとに寝るんすか?」
「いやいや、横になってるだけっすよ。酒もちょっと回ったしw」
こうして初の北アルプスの夜は早々に寝落ちして終えるのだった……
涸沢のテント夜景?何それ
次の記事はこちら
*1:標高が100m上がると約0.6度気温が下がると言われています。
サッポロクラシックの春限定Ver 【サッポロクラシック春の薫り】が美味しい
「日本で一番好きなビールメーカーは?」と聞かれたらすぐさま「サッポロ」と返すコタおです、ごきげんよう。
とは言え一番メジャーであろうサッポロ黒ラベルはそんなに飲んでなく、比較的見かけるものの中だとホワイトベルグがお気に入りです。
第三のビール扱いなので価格が安いんですけど、エールビールと同じ製造方法のため酒税法的に安くなっているというカラクリ。なのでよくあるラガービールとは味が違い、香りと酸味が強いホワイトビールのような味わいとなっています。
じゃあこれがサッポロで一番好きなビールなのかと言われると答えはNoで、一番好きなのは北海道限定のサッポロクラシック。
北海道限定と言いながら今や通販で手に入る時代。すごい!最高!
もともとビールはあまり好きじゃなかったんですが、サッポロクラシックがきっかけで飲めるようになった経緯があります。
なので自分の中でサッポロクラシックは「原点にして頂点」と言っても過言ではないビールだったりします。
※クラフトビールや海外ビールも入れて総選挙するとちょっと分かりませんが
そんなサッポロクラシックですが、先週北海道出身の友人から「春限定味のサッポロクラシックがあるよ。しかもAmazonで買えるよ」ということを聞き、急いで検索。
こっ……これかーーーーーっっ!!
秒でポチりました。自粛でだいたい自宅にいるし、24本ならGW中にちょうどいい感じだなと。
25日(土)に注文し、お届け予定日が28日(火)だったので楽しみに待っていると
フライングゲットォ━━━━(゚∀゚)━━━━!!
最高ですサッポロさん。一生ついていきます。
というわけで、
ド ン !!
空けるとこんな感じ。
ONLY HOKKAIDOなのに飯能にある不思議。いや、飯能は北海道だった……?家主道民だし*1
『春の薫り』と通常のクラシックの違いですが、「ふらのほのか」と呼ばれる北海道産のホップと、香りの強いフレーバーホップが一部使用されているとのこと。
まあ正直それだけ言われても「????」なので……
飲んだほうが早い!!
百聞は一見に如かず、百見は一行に如かず。
とりあえず春らしい料理で春をMAX味わうことにしました。
口に入れると瞬間的にホップの苦みがし、それとほぼ同時にさわやかな香りが広がります。
のどごしも重くなくスッキリしていて、後味も苦みと香りはスッとひくものの、クラシックを飲んだときと同じく麦の余韻は残ります。
この後味の引き方が良い。あまりさわやかな香りが残り続けると味に邪魔が出てしまいますが、良い塩梅に鼻腔へ広がりつつ抜けてくれる。
全体的にスッキリとまとまっています。味そのものは本家クラシックと比べると「薄い」印象を受けるかもしれませんが、口入れの瞬間のホップのさわやかな苦みと香りの広がりがあるため「飲みやすい」ようになっています。
あ、感想が長い?じゃあ3文字でまとめますね「ウマい」。
「春限定ビールだし、春が旬のものならなんでも合うやろ~~」とバカ丸出しでつまみも用意してみました。
つまみは左上から時計回りに種抜きシソ梅干し、大根となめこの和えもの、たけのこの土佐煮、鶏皮の塩焼き。
よく見たら旬の食べ物たけのこしかないですね。
ビールよりは日本酒が合いそうなラインナップですが、結構うまくハマってくれました。
春の薫りと同じくさわやかな苦みがあるものや、酸味などがあるものにより合いそうだなと思いました。もちろんお肉も大丈夫です。
このつまみの中ではたけのこの土佐煮と鶏皮の塩焼きがよく合いました。やはり旬のものは良い組み合わせになりますね。梅干しは単体でなく何かのアクセントとしたときにすごく合いそう。例えばささみを大葉で挟んで揚げて、刻んだ梅肉と食べるとか。
あとは天ぷら!!
特に野菜の天ぷらとは相性最高ですね。春菊の天ぷらだとなおのことよし。
まあ正直、バカ舌なので何と合わせてもウマいと思っちゃうんですけどね。
そういうわけで北海道限定・期間限定・数量限定のサッポロクラシック 春の薫り、ぜひご家庭にどうぞ。
「まずは普通の味を飲んでみたい!」という人は通常のサッポロクラシックも。
Hysteric Blueの「カクテル」がいくつになっても刺さる
タイトルのことについて語る前に、どうしてもこれについては下準備がいります。
みなさん「スパイラル~推理の絆~」ってご存じでしょうか。
Wikipediaによると
『スパイラル 〜推理の絆〜』(スパイラル すいりのきずな)は、原作:城平京、作画:水野英多の漫画。またこれを原作とする小説、アニメおよびドラマCD作品である。漫画は「月刊少年ガンガン」で平成11年9月号(1999年8月)から平成17年11月号(2005年10月)まで連載された。累計発行部数は510万部。
連載当初は推理漫画であったが、後半になると「『ブレード・チルドレン』と呼ばれる常人より優れた体力、知力を持った少年少女たちとの戦い」、および「天才と呼ばれる歩の兄、鳴海清隆と歩の兄弟の心理的葛藤」がメインテーマとなっている。各話のサブタイトルは往年のSF小説などをもじったものが多い。アニメ版のオリジナルエピソードも同様である。
とのことです。ちなみにぼくは今しがたKindleで全巻買いました。
Wikipediaにもあった通り、前半の本格的な推理と後半の超人的な体力・知力を持つ「ブレードチルドレン」と呼ばれる少年少女たちとの戦いや天才多才イケメン主人公の完璧超人兄への葛藤など、見所満載でいろいろ考えさせられる作品。
「子供の頃に読んで記憶に残ってる作品」っていろいろあるじゃないですか。そこに間違いなく入ってくる一作。
しかしぼくが最初に出会ったのは漫画ではない。2002年から放送していたテレビアニメです。
この作品何がすごいって、センスなんですよ。
イケメン美少女がたくさん出てきて推理もの始まるんですけど、何よりまあ全体的に展開が暗い。そもそも推理ものだから殺人はつきものだしね。
主人公含め出てくるイケメンたちが全体的に陰があるの。チャラチャラしてない。なんというかそれが耽美に見える。
まず主人公、鳴海歩(なるみあゆむ)。当時流行った中性的なクールイケメンで、勉強・運動も出来て人並みずば抜けた洞察力・観察力・推理力で事件を解決していく。しかもピアノがめっちゃ上手い。
だけど兄の清隆(きよたか)が全てにおいて上回っているせいでコンプレックスになってて閉塞的。
今は美人警部補のお義姉さん・まどかと二人暮らし。まどかは兄・清隆の奥さんで、歩の初恋の相手。
……ね?なんかもう翳りがすごいでしょ?初恋の相手が兄の奥さんて。しかも今は二人暮らして。
「ん?二人暮らし?じゃあその完璧超人・清隆はどこに?」という話なんですが、なんと現在行方不明。
そう、鳴海清隆はノンキャリアながらに20代にして警部まで昇格した超絶エリートなんですが、ある日を境に突然行方をくらまします。
そしてある日歩が通っている学校で起こった事件をきっかけにブレードチルドレンと呼ばれる超人的な体力や知力を持つ少年少女と歩は出会い、そこから兄・清隆にまつわる様々なことを知っていくというお話。
ちなみにこの清隆さん、ピアノがめっちゃ上手い歩よりもさらに上手く、昔は天才ピアニストと名を馳せていたんですけど、ある日「こんな演奏じゃ人を感動させることは出来ない」と自分の限界を知りドイツの公演後に鍵盤の蓋で自分の指を叩き折ります。
……香ばしくなってきましたねえ。
作品全体的にこんな感じで暗くて、だけどどこかそれが儚くて綺麗な雰囲気が漂っています。しかし暗くなりすぎないように明るいヒロインや、萌え萌え爆弾ロリータなどのキャラもいてバランスが良い。
そしてアニメは何よりOPとEDのセンスがいいです。
OPは明るい曲調で全く動かないながらも演出にセンスを感じます。
そしてED。もうね、これが天才的すぎる。
フルはこちら。
アニメ放送当時、まだ小学3,4年生くらいですよ自分。
オサレアニメだと思ってスパイラルを観ていて、EDを聞いたときのあの鳥肌。
歌詞自体は大人の女性の失恋ソングというかその後の感傷的なような諦めのような、そういう鬱々としたことを思い出と一緒に歌っているものなんですけど、最後。最後の部分。
一日をこんなに長く感じるのに
一年がこんなに早く過ぎてしまう一年をこんなに早く感じるのに
一生をどんなにうまく生きれるでしょう
なぜか、ここだけ刺さったんです。当時小学生で、部活して家帰ったら愛犬とばあちゃんがいて、漫画読んでたら両親が仕事から帰ってきていい匂いがして家族みんなで晩御飯食べてって毎日楽しくて大したことに疑問なく将来もあまり考えず生きていた自分にも。この部分はとても刺さったんです。
それ以外の歌詞は正直「大人の恋愛ってすごいな」なんて程度で、特にたいした意味も分からなかったしそこに自分を重ねることなんてなかった。
だけど高校生、大学生、社会人となっていくにつれて、失恋したり結ばれたり、いろんなことを経験していってだんだんと自分に刺さる歌詞の箇所が増えていったんですよね。以下歌詞抜粋。(ほとんどだけど)
三年目のオフィスはとっくに慣れきって
代わりにあたしは何かを失くしたの
結婚を罰ゲームみたいに言う大人達
そんなんじゃ夢さえ見れない子供だし
あたしが好きになったくらいの人だから
あなたが選んだ彼女はきっとステキ
ちょっとギコチなかった恋の相談も
今ではちゃんとできる歳になった
みんな幸せだといいな願うほど
旦那とふたり撮ったハガキ増えてくる
五年前心の底から欲しかった
あなたの子供に私の面影はない
恋だって夢だってたくさんあるのに
今日だってあとひと押しができてれば
仮定のような言い訳が無駄に増えた
辛いこと悲しいことを逃げたくて
甘いカクテルに溺れた夜は要らない
辛いこと悲しいことに向き合った
長い格闘に私はまた逃げる
天才かよ……(天を仰ぎ見る
もう説明のしようがないほど歌詞に表れている。
今これ読んだ人は結構そのまま「分かる」ってなったりすると思うんですけど、自分はこれが段々、段々といろんなことを経験していく度に聞き返して「ここ分かる……」ってなっていったんですよね。もうこれは人生。人生をかけたスルメ曲*1だよ……。
ちなみにスパイラルの主人公・歩ですが、いろいろあって実は二十歳までしか生きられない体です。
大人になることが出来ない少年が主人公の作品に、大人の女性の恋愛模様を綴ったED……そのセンスよ。
そしてだからこそ染みる
一年をこんなに早く感じるのに
一生をどんなにうまく生きれるでしょう
という歌詞。このセンスほんと何……?
ぼくのブログ前から読んでる人は分かってると思いますけど、失恋のほうが圧倒的に多いんですよ、はい。*2
だからこそ響く
あたしが好きになったくらいの人だから
あなたが選んだ彼女はきっとステキ
や
みんな幸せだといいな願うほど
旦那とふたり撮ったハガキ増えてくる
五年前心の底から欲しかった
あなたの子供に私の面影はない
という歌詞。自分が好きになった人が友人と付き合ったとか、元カノが別の人と結婚して子供産んだとか、結構身に覚えがある。
もうぼくは『三年目のオフィス』どころか社会人6年目ですけど、逆に言えば「オフィスも全く知らなかった小学生」から「六年目のオフィス」になるまでずっと聞いてる曲ってことなんですよね。
今この曲を聴いて、歌詞を見て、「あぁ~、分かる分かる」ってならなった人。
その中でも特に自分がまだ経験が若いからこそならなかった人(読者に学生がいるのか謎だけど)、これからもっといろいろ経験していく中で、たまにはこの『カクテル』を聴いてみてください。
そのうち「ああぁぁあ染みるぅぅう……」ってなるんで。そのときは一緒に甘いカクテルに溺れましょう。
あー、在宅勤務で一日をこんなに長く感じるのに……
バレンタインデー直前に突然ブラックサンダーで戦力外通告を受けた話
毎度過去の話をするときにタイトルでオチをバラさないでくれと言われるんだけど、そんなこと言われたってオチつけないと何の話か分からないじゃんと思うんですが皆様いかがお過ごしでしょうかこんばんは。
これは自分の女性関係の話の中で、人生で2番目に何がどうしてそうなったのか知りたいことでもある。(1番目はリアルトラウマなので書けない)
突然だけど、ぼくは社会人登山サークルに入っている。山岳会ではない。
入会費も年会費も発生せず、インターネットで知り合った人たちで登山したりBBQしたり飲み会したりする社会人サークルだ。フットサルとかテニスとかと変わらないと思う。
で、たまに自分でも登山の企画を立てたりするんだけど、今回はそこで知り合った女性とのお話。
名前を仮に黒稲さんとする。なんでって、ブラックサンダー女子だから。
201x年1月、登山サークルで簡単な山の企画を立てた。
黒稲さんとはそこで知り合ったんだけど、正直かなり美人の類だった。
ただうちのサークルは人数が多く、イケメンや社会的ステータス高い人が割といるので基本自分は相手にされないというのと、そもそもあまり女性との出会いを目的にしていなかったのもあって「美人やなー」くらいの感想だった。
が、企画後の飲みで日本酒の好みが同じと知り、冬山も挑戦してみたいとの話もあって意気投合した。(当時自分は冬山へ行ったことがなかった)
今度個別で山登りに行きましょう、その計画立てるのも併せてまた飲みに行きましょう、と結構話はトントン拍子だった。
そういうわけでそれから2週間後くらいの飲み1回目。今度は山でなくお互い平日の仕事後に会う。
や、めっちゃ美人なんですけど
東京の南の方(ざっくりすぎる)に勤めているOLということだったのでキラキラ系なのかと思いきや気取らない感じにビジネスカジュアルでひざ下スカートにジャケット。ふわふわガーリーとかしてない。しかし簡素すぎることもなく襟の形やちょっとした装飾でキリッとした感じと可愛らしさを出している。え、何これ?芸能人?俺今芸能人と待ち合わせしてる?どこぞのアナウンサー??元ミス〇〇みたいな感じですか???
そんな感じの女性となぜか渋谷の立ち飲みワインバーでYAMAP*1見て翌週の山の予定を立ててる。どういうこと??
理解が追いつかないまま二軒目へ。今度は日本酒のお店。
ぼくが黒龍を頼むと黒稲さんは寫樂を頼む。もうね、バランスを完全に考えている注文だよね。完璧。120点。花丸あげちゃう。
いきさつは覚えてないけど、「恋人とどんなデートしたいか」なんていうベタな話題になって、
黒稲さん「あまりディ〇ニー(ハハッ)は興味無いんですよね……。それだったらおうちで一緒に映画見るとか、近くのカフェでまったり話してるとかのほうが。人多いところ苦手で……あ、でも夏祭りは好きなんですけど」
アーーーーッ、それぇーーーーーー!!!!
え、どこかにぼくの取扱説明書って売ってました?読んできちゃった?そういう感じ?ってくらいピンポイントな回答をしてくる。
しかも笑うときに目を合わせてこないところがポイント高い。「私美人だし、笑顔の私かわいいでしょ?」みたいな感じが一切ない。どちらかと言うと酒入って笑っちゃうのをじっと見られるのが恥ずかしい的な感じがほのかにする。これはずるい。東京事変の群青日和のPVでラストの間奏時ににやっと笑う椎名林檎のようなきゅんポイント。
で、その日は楽しく飲んでじゃあまた翌週ってことで帰った。
そして翌週の登山。
丹沢にある某山へ登山。登り出してから数時間で曇天となってしまったが、いろいろ話しながら登れて楽しかった。
下山後は伊勢原駅のジンギスカンを食べ、黒稲さんの出身が北海道ということでジンギスカントークをしたり、ぼくの大学時代の北海道キャンプツーリングの話をしてそこの観光名所には行った・行ってないの話をしたり、まあとにかく楽しかった。
帰り際に「今日はジンギスカン行きましたけど、とんかつで美味しいお店もあるのでオススメですよ」という話をして帰った。
それから2,3日後。
黒稲さんからのLINE「出張で丹沢の方まで来たので、この前教えてもらったとんかつのお店行ってみました!(写真つき)」
おまっ、わざわざ報告LINE来てるやん!!!
いやもうこんなの脈ありでしょ。え、そりゃ生きてるけどさ。いやいやいや、なんとも思ってない人にこんなLINEいちいち送る??
冷静になりながら「美味しかったですか?量多かったでしょ笑」と送ると「美味しかったけど量かなりありました笑 頑張って食べましたよ~」
え ら い
残さず食べる心意気、当たり前と言えばそれまでだがなかなか脂物を頑張って食べきる女子はなかなかそうはいまいて。えらい。(※盲目的になっています)
黒稲さん「それであの、また今度一緒に飲みに行きませんか?」
これが、20スロでロング引いたときの快感ってぇやつか……。確かにタバコの1本でも吸いたくなるぜえぇ……
しかし困ったことに、直近が空いていない。なんとか候補日をいくつか出すと、黒稲さんもそこは空いてないとのこと。
どうしたものかなと思っていると
黒稲さん「そこの日なら午前中だけ休日出勤なので、午後からでよければ大丈夫です!」
はいっっっっ…………きたー。来ましたよこれ。いやもうそういうことなんじゃないっすかね。どうでしょう、解説のみなさまがた。いやもうこれはほとんど間違いないと見ていいんじゃないですかね。だって俺ならそうじゃないとこんな態度取らないもん。物事には優先順位ってあるからさ?だからね?まあそういうことじゃん???
とは言えその翌日は人生初のハーフマラソンを控えていた。
残念ながらあまり遅くまでは飲めないが、まあ正直決めるならここだよなとなっていた。
そして運命の日。
午後から池袋で待ち合わせ。まずはよく行くオムライスのお店でランチ。
「オムライス好きなんですよね~」って話をすると「ちょっと子供っぽくて可愛いですね。ふふ」と。いや、いやいやいやいや……。待って待って、そのほうが何億倍も可愛いから。いやいやいやいやいやいや、お嬢さん。そういうのはね、ずるいと思うんですよ。男性に「子供っぽくて可愛い」なんて言っちゃダメよ……?実はめっっっっちゃ効くからなそれ。弱いから、そう言われるの。バブみ感じちゃうから。
で、次は南口公園でオシャなコーヒー買って芝生の前のベンチで飲みながらおしゃべり。
あぁ~~、なにこの「THE・休日」みたいなの。こういうの、こういうのしたかったんですよ。しかも黒稲さんちょっとそわそわしだして、「え、どうしたんだろう」って思ってたら
黒稲さん「こ、コーヒー飲んだら芝生でごろ寝しません……?」
ストライィィーーーーッック!!バッターアウッッ!!!!
やっぱコタおの取扱説明書ってどっかに売ってるんじゃねえかな。どこに売ってるんだそれ、俺にもくれ、セルフコントロールさせてくれ、いったん落ち着かせろ。
もうね、多分すごい気持ち悪い満面の笑みで「いいですよ」って答えたと思いますわ。いや、他に選択肢ある?ないよね。ここでNoって言えるやつすげえよ、たいしたもんだよ。断る理由なくない?
で、芝生に寝転がる。最初はお互い仰向けで話してるんだけど、そのうちお互い向き合う感じに。
いや、あの、顔、ちょっと近いっす、ふひ、え、ちょ、ていうかこの人まつ毛なっが。色濃くないけどビューラーだけ?え、マスカラなしでこのボリューム感なの?北海道出身って祖先アイヌ?アシリパさんじゃん。
いやー、今思うとここで言ってれば違う未来があったのかもしれない。
さすがにお互い気まずくなったので立ち上がり、「用品店でも行きますか、池袋はモンベル、エルブレス、好日山荘とあるんで!」と言ってそっちを見に行くことに。
で、一通り用品店見たあとは飲み。今回は最初から日本酒のお店をチョイス。
まあいろんな話をして楽しんで、二軒目どうしましょうかーと外出ると雨。
しかも結構な雨。え、このタイミングで?とか思っていると向こうも雨はちょっとなーって感じ。
これから歩き回るのもなんなので、昼間と同じカフェへ移動。幸いカフェにはコーヒーアレンジしたアルコールもあり、ひとまずそれで。
しかし雨降ってきたし帰り際っていうのも微妙になったから決めるタイミングどうしようかなー、店の中ってのもちょっと嫌だけど、雨降ってるからもう芝生も座れないしなーとかなんとか考えていると、突然そのときは来た。
黒稲さん「あっ、そういえば良ければこれあげます」
そう言ってカバンからぬっと出されたのはブラックサンダー。
「え、はあ……」
よく意味が分からず受け取る。そういえばこの人最初の飲みのときも行動食にってスニッカーズくれたし、この前の登山でもクッキー分けてくれたな。おばちゃん気質?とか思ってパッケージに目をやると
一目でギリと、分かるチョコ
目の前が真っ暗になった。
え、ちょっ……うぇっ?え、これ、そういう……えっ?でもなん、え?これ、なん、で……?
10秒くらい固まっていたと思う。
黒稲さんの方を見る。そこには侮蔑の顔や期待外れのような顔などもなく、普通に笑って普通に渡してきた感じがする。
え、今日2月x日だよ?さすがにバレンタイン直前じゃん、というかパッケージにそう書いてあるじゃん?さすがに気づかないってことはないでしょ。え、じゃあこれそういうこと?え、でもそしたらなんで?昼間のあれ何??
ぼくの混乱をよそに、店内に鳴り響く閉店の音楽。それは同時にここ数ヶ月のウキウキワクワクタイムの終了を告げる音でもあった。
わけもわからずお店から出る。ちなみに黒稲さんは何も変わった様子がない。プロ野球の監督でさえ選手に戦力外通告を渡すときはもうちょっと腹をくくった顔や申し訳なさそうな顔をすると思う。いつも通り、ほがらか。笑顔で人をどん底に落としてきた。え、ていうかこれ本当にそういうこと?
そして分からないまま別れる。最後まで黒稲さんの表情は変わらず、いつも通りだった。
それからはこちらからLINEしてもあまり返事もなく、山に誘っても予定が埋まっていて難しいと返ってくる。
翌月、別の人も交えて元々予定した山で久しぶりに会った。
その山も雨上がりだからぬかるんでいて気が進まないとか言われたが、もう一人が行きたいと言ったのもあり決行されたのだった。
会った感じ、話し方自体によそよそしさはあまり感じない。前と変わらない感じで話してくる。ただLINEの態度が態度だったし、そこは気まずくさせたくないだけなのかもと思うことにした。
が、もう一人が「写真撮るよー」というと普通に向こうから近づいてきてツーショットで撮る。ど、どういうこと……??
下山後、食事をしてるともう一人がトイレへ行ったので、その隙にそれとなく聞こうとした。
ブラックサンダーとはいえもらったものはもらったもので、しかもその日はホワイトデー数日前。一応お返しということでホワイトシリアルバーを渡した。
黒稲さん「え、これ……なんですか?」
「先月義理チョコをもらったので、そのお返しです」
黒稲さん「え、私バレンタインチョコなんてあげました……?」
え、じゃああのブラックサンダー何……?
世にも奇妙な物語 ~あの日もらったチョコの意味を僕はまだ知らない~。誰か解編をお願いします……
*1:国内最大手の一つである登山地図アプリ
”雪で尻を拭く”完全に理解した
理解した。そう、完全に理解したんだ。
過去に雪で尻を拭いたけど二度とやりたくないという記事を書いた。
実はあれからちょくちょく雪で尻を拭くことに果敢にトライしていた。
理由としてはこの記事アップ後、いろんな人との交流で「フィニッシュにだけ紙を使いエコに努める」という意見を見て得心がいったためだ。
そういえば今回も雪でケツを拭きました。紙はあったけど心許なくて
— コタお (@kotatsumuri39) 2019年11月3日
そう、文明社会において尻を拭くには紙がいる。小学生でもわかることだ。
その事に慣れ切った我々一般やまのぼらーからすれば、山の中でトイレに間に合わず糞尿を垂れ流す場合に備えて巻紙を持っていくのは自明の理。
三種の神器とはザック・登山靴・雨具などではない。雨具・ヘッドライト・巻紙と言ってもいいくらいだ。
※これはそもそも「ザックと登山靴は入山時には身につけて行くものだから持ち物として挙げる必要がないだろう」という考えから来ている。ファーストエイドキット?はい、ぐうの音も出ない正論でございます。今日から神器は四天王にしよう
しかしながら糞尿はともかく紙はなかなか自然に還らない。そのため巻紙は持って帰ろうというのが現代登山の一般的なマナーと言える。や、知らんけど。
なお、「巻紙はどれくらい分解に時間がかかるか?」ということや糞尿と自然の関係についてはこちらを一読いただきたい。
しかしキレが悪いと多く紙を使ってしまうし、いくら厳重に封をすると言ってもうんちぃ~が多量についた紙を持ち歩くというのはあまりいい気がしない。
そこで「フィニッシュは紙だとしても、うんちぃ~が落ち着くまで自然物を利用する」というのは非常に合理的だと思う。
そういうわけであれから3,4回雪山で用を足すことにより、過去の記事時点では気づかなかったorきちんと説明できなかった「雪で尻を拭くことの何が辛いか」が分かった。
合わせてその対策も紹介しようと思う。
“雪で尻を拭く”ことの辛さとは何か
自分も記事を書く最中に勘違いしていたが、実は尻を雪で拭くこと自体はそこまで苦痛じゃない。
なぜかというと尻は体の中心部にあるため体温が高く血液もよく通る。最初はひやっとするがそこまでだ。そのため尻を雪山で丸出しにしても風が無ければすぐには冷えを感じない。
拭き終わったあと尻は多少濡れるが、体温が高い部分だしパンツやシェルもしているためすぐに乾く。
では何が辛いか。ずばり、手の冷えだ。体の末端の部位ほど冷えやすく、また温まりづらい。
パウダーの雪を押し固めようと素手で何度も握っているうちに手が冷え、かじかみ、いずれ痛みを感じるようになる。これがとても辛い。
つまり、辛さのポイントとしては
- 素手で雪を触ること
- パウダーの雪を何度も押し固めようとすること
の2つにある。これさえ解決してしまえば雪で尻を拭くことを完全に理解したと言っても過言ではない。
素手で雪を固めることを回避するためには
まず真っ先に思い浮かぶのがグローブを使うこと。
雪山登山者にとってグローブは必携品。ないことは自殺行為に等しい。
真冬の街中でさえ手がかじかむことがままあり、手袋をつける人が多い。
それよりも寒い上に風も強い雪山。雪を触ることもある。何より金属であるピッケルをキンキンに冷えた状態で素手のまま握るというのは相当無理がある。(これに関してはテープを巻いたりして回避出来るが)
では、そのグローブをつけて雪を固め、尻を拭くのか。
答えはNOだ。
え、だってだって、うんちぃ~がつくかもしれないのにお高い革グローブでお尻拭いちゃうの?うっそぉ~ん。そりゃNO,NO。NOだよ。
しかも革だと汚れが落ちづらい。素材になじんでしまう可能性がある。
もちろん、それでもやる人たちはいるだろう。吹雪いている中、そんなことを言っていられない人たち。そもそも山はそんなものだろと気にしない人たち。
そういう人たちはメンタルが強い。その域に到達する人間は少ないだろう。
ただ例外は当然ある。パウダー状でなく、安定した塊である雪を作り拭くことが出来ればそもそもうんちぃ~が手についてしまうことはない。
そういう意味ではグローブをつけたままでも安心して尻を拭けるような雪作りが大事とも言える。理想形だ。
「グ、グローブにうんこがァ!」を回避するための安全マージンも含めた上ではどう対応するか。
その答えの一つがテムレスだ。
そう、雪山登山者たちの間で何かと話題に上がりやすいテムレス。
あくまで個人的意見だが、雪山登山ではテムレスも必需品だ。
理由として、柔らかいので操作性が良い。また、裏返して干せば乾きやすい。そのためスコップを使う際などの作業用手袋として持っていくと重宝する。
このテムレス、素材はポリウレタンのため汚れは表面に乗るだけなので簡単に落ちる。
つまり、うんちぃ~が仮についても雪で洗えば簡単に落ちるし、安いから精神的ダメージも少ない。その上防水なので雪を触っても手が冷たくなりにくく雪を固めることに集中できる。
ぼくは通常のテムレスを使っているが、防寒テムレスというものもあるので雪山にはこちらが良いかもしれない。
余談だが、「防寒テムレスを雪山のメイングローブとして使えば安上がりでは?」という派閥がおり、「青だとださいから黒が欲しい」という声が多数あったのかついに雪山仕様で見た目もださくない防寒テムレスが最近登場した。
なんと、バックルとドローコードがついている。その代わりお値段は6000円ほど。
いや、それなら普通にグローブ買えよ
これ以上は闇が深い論争に入るらしいのでここで終わり。
安定感ある固まった雪をゲットするには
まず、パウダーはどんなに強く固めてもさらさらと崩れていくということ。
多分、これを固まらせるには水を少量かけるしかない気がする。しかしそんなことで水を使うのはもったいない。では、どうするか。
深く掘る。これに尽きると思う。
表面の見えている雪はさらさらでも、掘っていけば固い雪になっていたりする。
スコップなどがあればブロック切って雪を掘り出してみるとよいと思う。ごろんと棒状の雪の塊が取れたりする。
大きな塊で安定しているものは、手で削ったりしてちょうどいい大きさに整形する。
そしてそれで尻を拭く。そうすればかなり安定して尻を拭くことが出来る。
雪で尻を拭く際の注意点
ただし、注意してほしいのが雪はあくまでも固まった直線状のもの。普段で紙で拭いているようにジャストフィットした形で拭きとれるわけじゃない。
雪の塊で拭いてうんちぃ~がついていなければパンツを履いても大丈夫だと思うが、心配であればあえてパウダーを少し固めてさらさら、またはゴリゴリと崩れていくように拭くと良い。ちょっとしたウォシュレット代わりになる。
そしてもう一度雪の塊で尻を拭き、余分な水分を拭き取る。仕上げに巻紙で尻を拭いて確認。
そうすればキレが悪くても持ち帰るペーパーは比較的綺麗なもののはずだし、使う量も少なく済む。
ちなみに事に及ぶ前に穴を掘ることは忘れずに。終わったあとは雪をかける。
風があるときは風よけがあると寒く無くて済むので、スコップで穴を掘りつつ風上に雪を積み上げられると効率よくトイレが作れる。
もちろん、これは余裕があるときのトイレの仕方だ。こんなものテント周りでないといちいちやっているわけにもいかない。
移動中であれば風が防げそうなところを見つけ、その横で穴を掘り、脱いで構えに入りつつ尻拭き用の雪を作るために表面の雪を掘り、パウダーでなく水分を含んだ雪が現れたら適度な形状・大きさに整形しておく。
ちなみに巻紙は首から下げられるようにロールにひもを通しておくか、巻紙を入れているジップロックに穴を空けてひもを通す。または飛んだりしないように雪を軽く掘って窪地を作りそこに置くと良い。
と、いうわけでこれでそこのあなたも“雪拭きマスター”だ。
雪山でもよおしたら積極的に試してみてほしい。そしてフィードバックがあればぜひ教えてほしい。
ま、雪で尻を拭くことを完全に理解したぼくに任せてもらえば大丈夫だと思う。
そう、完全に理解したぼくに。
……ん? 完全に……理解した……?
まだまだ、一人前のうんぶりストには遠い